今日は少しアンタッチャブルな領域の話をします。
最近はかなりオープンなブランドさんも出てきている
ので、よく調べたら大まかに分かるんじゃないかな
とは思いますが、それなりに大変だし探すコツもある
の少しまとめてみます。
1)まず良く言われているのが、20%-30%程度の原価で作り
80%OFFでも損しないよ、という話。
諸々の値付けや企画を見てきて、これはある程度事実と認識しています。
ただし、個人的には原価率だけで良い悪いを論じるのは無意味
と思っています。一例を挙げるとダウンで有名なブランドさん
は原価が4万と出ても20万で買う人が後を絶ちません。
それだけブランドの付加価値が高い(満足感やステータス、
リセールバリューなど)のだから問題ないと思います。
何も物質的な価値だけが価格に反映されるわけではないのです。
まぁこういうブランドさんは80%OFFになることはないので
簡単に80%OFFになっている時点でちょっと・・・ですが。
では、何が問題か。
業界内で言われる「てんぷら上代」というやつです。
てんぷら、つまり揚げている(上げている)上代(定価)
ということですね。
一番ひどい例では、企画する取引先に定価の15%以下で
提案しろ、という会社がありました。
もう定価で売る気ないですよね。
時々アパレル関連の記事で出てくるプロパーとは定価のことです。
プロパー消化率が低いということは基本的にセールになってから
販売しているということを意味します。
最近の中では原価率にある程度言及されるブランドさんが出てきて
嬉しい傾向だと思っています。
メジャーなところだとTOKYO BASEさん(UNITED TOKYO他)は
そういうイメージで見ていますし、厳密には少し違うのだけれど
ファクトリエさんも透明性のある仕組み(工場の付けた値段の2倍が定価)
だと思います。
2)服の原価は何で構成されるのか?
海外生産はさほど詳しくないので、国内生産での話です。
アパレル会社の立ち位置であれば
生地代+パターン代+サンプル代(+修正代)+裁断代+縫製代+物流代(+加工代)
といったところでしょうか。()部分は無いこともありますし、
縫製と裁断はセットのことも多いです。
家賃やら人件費やらを原価で考える人がいますが、
工場の立場であれば分かりますが、アパレル会社の立場では
おかしいのでは、と思います。
そこは利益から出すべきものでしょう。
生地代は世界基準でみればm単価1ドル2ドルは平気であります。
もちろん量を買う前提ですが。
今の織機の性能はとてもいいので、そこそこのクオリティの生地で
も上記の価格で存在します。(これは繊維に限った話ではなく、
最先端の機械はすごいというのは各業界にあることかと)
日本のトップクラスの企業の最高級品でもm単価3ドル4ドルという
のはUAEで知った話。(民族衣装のあの白生地です)
で、結局原価率はどのくらいが良いのか?
を次回書こうと思います。
ちなみにOSOCUの原価率は45-55%。(だから50%OFFは原価販売です)
ただ、もうちょっとやり方を変え行く余地はあると思っています。
ついでにもう一つ余談を。
原価公開で一番過激なのはアメリカのEVERLANE(エバーレーン)。
全部公開している。でも、結構EVERLANE社の取り分(利益)あるよね?
と思うのは私だけではないはず・・・。
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タニ カヅオ