2回目は製品染めに焦点を当てて話をしようと思います。
前回最後に少し触れた染め替えサービスを使って
染めた子供服。綿の白シャツを黒に染めました。
ステッチが白く残っているのが見えますね。
これは縫製する際の糸がポリエステルの糸だからです。
綿を染める染料でポリエステルは染まらないのです。
ちなみに服を作る際、指定しない限りまずポリエステル糸
を使います。理由はシンプル。丈夫で縫いやすいから。
着用時の耐久性も違いますが、現代においてカジュアル
ファッションをそんなハードに使うシーンは少ないので、
着ている側からするとほぼ分からないかと思います。
ステッチをデザインで残す場合もありますが、
ステッチも染めたい場合は糸も綿で縫う必要があります。
↑こんな感じ。
前立てやポケットのステッチを見てみてください。
白く残らず黒に染まっています。
OSOCUでは製品染めをする前提の企画が多いので
白シャツは全て綿糸で仕上げています。綿糸で縫う
と上の画像のように染まります。
↑ボタンも染まる場合があります。
プラスチックボタンは染まらないのですが、樹脂系は染まる
ケースもあるようです。ボタン素材に詳しくは無いので正確
には分かりませんが、染まるボタンも面白いなと。
ちなみに、貝ボタンは割れたり剥離したりすることが
あり、製品染めには適していません。貝ボタンを使う
場合は、後から付けるという工程を入れる必要があります。
最後に染めの逆、抜染の話を。
OSOCUラインでは企画していませんが、ツムギラボとしては
店頭に並ばない新品の流通在庫をアップサイクルする企画の中
で抜染を活用しています。
上の画像はネイビーのPOブラウスを抜染したもの。
抜染するまで何の色が出てくるかわからないのですが
おおむね白~茶という系統が多いです。
デニムでよく聞く、ブリーチも抜染のことですね。
後加工で量産品が1点ものに変化するので、ユニークな
方法だと思っています。たくさん作れないし、効率は
悪いのですが、地道に続けていこうと思っている企画の
一つです。
ツムギラボ
タニ カヅオ