今日は少しアンタッチャブルな領域、商品原価の話です。
あくまで個人的な見解です。
(この記事は2020年に書いたものを一部加筆修正したものです)
ここ数年はかなりオープンなブランドさんも出てきているので、
SNSやWEBを調べたら大まかな原価は分かるんじゃないかなと
思いますが、それなりに探すコツもあるの少しまとめてみます。

1)結論、30‐50%の範囲が多い。
20%-30%程度の原価で作り、最終セールの80%OFFでも
損しないよ、という話があります。諸々の値付けや企画を
見てきて、これはある程度事実と認識しています。
ただし、個人的には原価率だけで良い悪いを論じるのは無意味
と思っています。一例を挙げるとダウンで有名なブランドさん
は原価が4万と出ても20万で買う人が後を絶ちません。
それだけブランドの付加価値が高い(満足感やステータス、
リセールバリューなど)のだから問題ないと思います。
何も物質的な価値だけが価格に反映されるわけではないのです。
まぁこういうブランドさんは80%OFFになることはないので
簡単に80%OFFになっている時点でちょっと・・・ですが。
では、何が問題か。
業界内で言われる「てんぷら上代」というやつです。
てんぷら、つまり揚げている(上げている)上代(定価)
ということですね。
過去一番ひどい例では、企画する取引先に定価の15%以下で
提案しろ、という会社がありました。(もう数年前ですが)
もう定価で売る気ゼロですよね。
今は原価率を公開するブランドも出てきて、改善してきている
ようには感じます。
デザイナーの世界観や完成を活かしたブランドなら30%前後
DtoCを売りにしているなら40‐50%かなと思っています。
何にしても大事なのは定価で売れること。セール前提の
値付けは無くなって欲しいものです。

2)服の原価は何で構成されるのか?
海外生産はさほど詳しくないので、国内生産での話です。
アパレル会社の立ち位置であれば
生地代+パターン代+サンプル代(+修正代)+裁断代+縫製代+物流代(+二次加工代 プリントとか刺繍とか)
といったところでしょうか。()部分は無いこともありますし、
縫製と裁断はセットのことも多いです。
家賃やら人件費やらを原価で考える人がいますが、
工場の立場であれば分かりますが、アパレル会社の立場では
おかしいのでは、と思います。
そこは粗利益から出すべきもの(つまり販管費)でしょう。
生地代は世界基準でみればm単価1ドル2ドルは平気であります。
もちろん量を買う前提ですが。
今の織機の性能はとてもいいので、そこそこのクオリティの生地で
も上記の価格で存在します。(これは繊維に限った話ではなく、
最先端の機械はすごいというのは各業界にあることかと)
日本のトップクラスの企業の最高級品でもm単価3ドル4ドルという
のはUAEで知った話。(民族衣装のあの白生地です)
で、結局原価率はどのくらいが良いのか?
を次回書こうと思います。
ちなみにOSOCUの原価率は45-55%です。
(だからサンプル品の50%OFFは原価販売です)