今回は服の経年変化の話をします。
1)経年変化を感じやすい服、感じにくい服
やはり一番感じやすいのは藍染の服。
色落ちが多いので、その分色変化が早く現れやすいです。
色落ちはもちろん、生地の柔らかさも出てきます。
藍(インディゴも)はアタリも出るのでよりヴィンテージ感は
出やすいです。上のシャツは古布みたいな感じに変化していきます。
藍染に限らず天然染色は基本的に色落ちをするので変化しやすい
と思います。それが好きか嫌いかは差があると思いますが、
個人的には面白いと思っています。
変化していく服を見ていると、自分たちと同じように年を重ねていく
様子が見えて、やはり愛着が湧きますね。
逆に色変化しにくいのは化学染色のもので日常生活レベルでは
色の変化は気づかないと思います。素材が綿や麻の天然繊維で
はなくナイロンやポリエステルの合成繊維ならなおさらです。
色以外の経年変化は毛羽立ちやヨレなどでしょうか。
これは天然繊維では起きやすく、合成繊維では起きにくいです。
ウール(天然繊維)ではよくわかりますね。
一般的に毛羽立ちやヨレは良いものとされませんが、例外もあります。
ミリタリー系のアイテムやデニムのように固い素材はなじむという
見方をされます。
実際に使い込むほどに柔らかくなる素材は存在します。
染色やら加工やら着用状況で左右されますが、綿素材は使いこんでいくと
良い味になると基本的には思っています。
これはデニム好きならイメージしやすいと思います。
ざっくりまとめると、
経年変化を楽しみたいなら天然繊維&天然染料
経年変化をさせたくないなら合成繊維&合成染料
(合成繊維の天然染料ってあるのだろうか・・・?)
という選択になります。
ただニットの毛玉はよくわかりません。たまに聞かれますが。
2)服は何年着る?
ファストファッションが登場して久しいですが、
ここ数年は1シーズンで捨てるということに対する疑問も出て
きて長く着ることが見直される風潮を感じます。
メルカリやラクマといったCtoC取引の登場も大きく、リセール
のために大切に着ることで、結果長い間着用される(複数人が着る)
という流れもあります。
シーズンを3か月で見て、週1回着れば12-3回の着用です。
ただ実際に毎週着る服というのはかなりのお気に入りのはず
で、現代ではシーズンで10回着るくらいが通常な気がします。
そうすると、特殊な着方をしていない限りTシャツでも2-3年は
普通に使えるはず。ものによっては5-6年でも。
私自身はというと5-6年間使っているシャツが今でもレギュラー
入りしています。
白物は皮脂汚れが蓄積したりでもう少し短いですが、染直し
したりして長く使っています。
3)長く着るコツ
シンプルですが、
丁寧に着ることと丁寧に洗うこと
これに尽きます。
シルク製品や装飾のあるもの、特殊素材以外、つまり普通に
世の中に出回る大半の布の服は家庭で洗えます。
今の洗濯機は高性能で手洗いと同じようなモードがあり、
便利です。弱水流でもOKですが、できるだけ弱めに洗うのが
ポイントかと。
手でざっと洗い、2-3分脱水だけかけて干すというのも
ありで、藍染製品の最初はできればこの方がいいくらい
色落ちあります。
いずれにしても洗うということは濡れたり・擦れたりする
わけで繊維にとってはダメージになります。
洗濯については別記事に書いているので、ご興味ある方は
ぜひ。