2023年からリリースしている揃着(そろいぎ)。
OSOCUが持つ型紙を活かして、小規模でも導入できる働く人の服を作るサービスです。地元の素材を使うことで地域循環も意識した働く人の服を提案しています。
そんな揃着(そろいぎ)の導入事例を経緯やインタビューを交えたブログ形式でご紹介していきます。
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今回ご紹介させて頂くのは、
愛知県の扶桑町にあるパン屋二兎(にと)さん。
実は店主の若山さんは揃着(そろいぎ)というサービスが始まる前から
OSOCUの服を仕事着として用いてくださっています。
そういう経緯もあり、インタビューシリーズのプロローグとして
ぜひお話しを聞きたかった方なのです。
最初に連絡させて頂きお会いした際に、パン職人の仕事で変色した
バンドカラーシャツを見せてくれました。
パンを焼成するときのメイラード反応の変色や裾部分の擦り切れが
仕事着としてご愛用頂いたことを感じさせてくれます。
「気に入っているけれど、お客さんの前にも出るので変色していると着にくくなってきた」
という若山さん。
そこで黒への染め替えを提案しました。
長く使うことに共感されていたこともあり、実際にご依頼頂きました。
後日お持ちしたシャツがこちら。
その際に少しインタビューさせて頂きました。
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清水「黒染めの色はいかがですか?」
若山さん「柔らかみがあり、とても深い黒ですね。新品よりも愛着があり、とても嬉しいです。前立ての擦れた部分もいい味が出ていますね。」
清水「今回長く使うための染め替えだったわけですが、「長く使えるもの」について考えていることを教えて頂けますか?」
若山さん「お店のテーブル、棚などは古道具を選んで買っていますね。新しいものには無い、長く使ったからこその変化があるものを好んで使っていますね。」
清水「職人として大事にしていることについて、お考えを教えてください」
若山さん「一人で出来ることを、じっくりとやることです。一人で出来る量には限界があります。欲張っていろんなことをやりすぎると
結果的に簡単な作りになってしまい、ごまかしになりかねません。例えば、小麦をこねる作業は約1時間半かけています。じっくりとこねることで、柔らかくなるので、(効率的ではないのかもしれないが)そこはきちんと時間を割いていますね。その丁寧さで生み出せる量のパンを作っています。」
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店名の「二兎」という名前は家庭とパン作りの両立を表しているそう。
15時ごろに売り切れてしまう人気のお店です。
今回インタビューをして一番強く感じたのは、若山さんのまっすぐな姿勢。
物静かな若山さんですが、パンの事となると話は尽きません。
インタビューの最中、予約のお客さんが一組、パンを受け取りに来られた際、
「今日は発酵オーバーで、甘みがなくなってしまったので差し上げます」と接客されており、
まっすぐな職人の姿勢と、ごまかさない姿勢を強く感じたシーンでした。
お近くの方はもちろん、パン好きな方にはぜひパン屋二兎さんに訪れてみて欲しいと思います。
インタビュー・写真:OSOCU 清水
文:OSOCU 谷